単純な脳、複雑な「私」 池谷裕二著

じっくり読みたかった本で、ようやく読み終えた。
嵐のような感動だ。

以前の著書「進化しすぎた脳」の後継に当たる本で、氏が母校(静岡県立藤枝東高等学校)で行った講演とその後に、より興味を持った学生9名に語る最先端の脳科学の3講座を納めた本だ。

様々な脳のからくりとその単純さ、複雑さを分かりやすい語り(高校生にも分かる)で丁寧に説明してくれる。
また、講座の中で見せてくれる様々な実験や最新科学情報が超面白い。
このサイトで見ることが出来る。

ピンク色の斑点、15ドットの人間、ラングトンの蟻など、思わず声を上げてしまう。
ピンク色の斑点は、円形に配置されたピンクの斑点の一つを回転させながら消していく、その時真ん中の+をじっと見ていると、緑色の斑点が回り始め、数秒でピンクの斑点が消えてしまうというものだ。
実際には消えていない。脳がそう感じてしまうのだ。
15ドットの人間は、わずか15ドットで男・女、太っている・痩せているなどを表現できるというものだ。
これも脳がそう判断してしまう。
ラングトンの蟻は本書を読んでもらうより仕様がないが、単純なルールに従って、同じプロセスを何度も何度も繰り返すことで本来は想定していなかった新しい性質を獲得する 「創発」 のイメージを見せてくれる。
そのことを分かった上で見ると、驚愕する。

誰かに話したくなること請け合いだ。


自分とはいったいなんだろう、自由とはいったいなんだろうなど実に深く考えさせる。

それにしても、登場する高校生は優秀だ。

僕が高校生の頃なんか、頭の中の99.9%は女の子のことで一杯だった。
残りの0.1%でご飯を食べたり、寝たり、歯を磨いたり、トイレに行ったりしていた感じだ。

恐れ入る。


超お勧め本だ。


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